利益率よりも大事な経営指標【キャッシュフロー・マージン】

【難易度】★★★☆☆

【この記事のPOINT】

「キャッシュフロー・マージン」とは

「キャッシュフロー・マージン」は、企業の経営状況を判断するために重要な指標であり、
売上高に対する営業活動による現金収入の割合のことを表す言葉です。

【キャッシュフロー・マージンの計算式】
 キャッシュフロー・マージン = 営業キャッシュフロー ÷ 売上高 × 100 [%]

「キャッシュフロー・マージン」と「売上高営業利益率」の違い

売上高営業利益率は会社の収益性を図る際の代表的な指標です。

【売上高営業利益率の計算式】
 売上高営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100 [%]

それぞれの指標の違いを整理すると下記の通りです。

キャッシュフロー・マージン:売上高に対する現金で回収した収入の割合
売上高営業利益率:売上高に対する営業利益の割合

キャッシュフロー・マージンが大事な理由

私自身、これまで営業利益率を計算して会社の収益性を判断してきましたが、実態把握の正確性から、できるだけキャッシュフロー・マージンで把握するようにしています。

なぜなら、キャッシュフロー(現金の流れ)は「ごまかしのきかない事実に基づいている」というのが一番の理由です。

売上高や営業利益などは、「損益計算書」に書かれていますが、「損益計算書」は(粉飾決算などの不正会計のような改ざんまでいかなくても)恣意的に調整が行われやすいものです。
一方、現金の出入金を表す「キャッシュフロー計算書」は、現金の収支は金融機関の記録があるため、ごまかしがきかない事実といえます。

また、損益計算書上の利益は、お金が出ていかない減価償却費等の費用がマイナスされているため、現金の増減を示すものではありません。

そのため、利益は出ていても、会社のお金が増えていない、という状況も多く見受けられます。

このように、キャッシュフロー・マージンは、企業における会計基準の解釈の影響を受けづらいことから、最近では売上高営業利益率以上に注目されている数値となっているんですね。

キャッシュフロー・マージンの目安は?

目安は業種によって異なりますが、公表されている下表の数値を参考にしていただくのがよいかと思います。

キャッシュフロー・マージンを算定するためには、損益計算書だけでなはく、キャッシュフロー計算書により現金の流れを把握しておく必要があります。
会社の数字を”決算のために計算するもの”から、”会社経営に役立てるための分析手段”というように、有効活用することが重要といえますね。

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