「成果」を挙げる考え方/そもそも「成果」とは?【ドラッカー】

【難易度】★★★☆☆

【この記事では】
会社が目指すべき「成果」について、ドラッカーの考え方を紹介しています。

「利益」とは、会社が目指すべき“成果”ではなく、会社存続のための“条件”
・“成果”の中には、長期的視点における「人材育成」も含まれる
“成果”を挙げるために考えるべきことは、他人への「貢献」を考えなければならない

抽象的な言葉を含むため、若干イメージしづらい点があるかもしれませんが、
経営において、色々な面で応用できる効果的な考え方です。

【この記事のPOINT】

P.Fドラッカーが追求し続けた「人の幸せ」

P.Fドラッカーはオーストリアの経営学者であり、企業経営を通じて「いかに人を幸せにできるか」を追求し続けてきた方です。
私が「会社に関わる方々を幸せにしたい」という考えを持ったのも、ドラッカーの考えに大きく影響を受けています。

ドラッカーの著書では、「成果を上げれば幸せに繋がる」という趣旨の話が多く出てきます。

 ・どうやって成果を上げればいいか
 ・成果を上げるための能力はどのように習得すればよいか 等

企業の「成果」の定義は、色々あると思います。
その中でも、多くの方が思い浮かぶのは「成果」=「利益」ではないでしょうか?

利益を上げることにより、会社を発展させ、給与として従業員にも還元される。
「成果」を突き詰めれば「利益」である・・・。

私もドラッカーの本を読み始めたとき、“そもそも企業の「成果」とは何だろう?”
という疑問が湧いてきて、最初に思いついたのは「成果」=「利益」でした。

ところが・・・

「利益」は成果ではなく「企業存続の条件」

ドラッカーの言う「成果」は違いました。

ドラッカーは

「利益は企業が存続するための“条件”である」
「企業が利益を追いかけているだけでは、その企業に関わる人が幸せになれない」

と言っています。

出所:「図解 ドラッカーがわかる本」山本誠志 著(学研)

ドラッカーが考える「成果」とは

ドラッカーの言う成果には次の3つが挙げられています。

出所:「図解 ドラッカーがわかる本」山本誠志 著(学研)

上記①はまさに「利益」等を示していますが、それだけではありません。

“②価値への取組み”が意味するところは、
「他社よりも技術的に優れた製品を出す」とか
「どこよりも安い製品を提供する」
「よいアフタービスを提供する」
といったことが挙げられます。

つまり、他社との差別化とか、自社のブランド構築、といったものが成果に繋がるというわけです。

“③人材育成”は私自身、この本を通じて最も気づきを得られたことです。
ドラッカーは、良い人材を集めること、また、人材育成して、お客様によりよいサービス、製品を提供できるようになることも重要な成果の一つとしてとらえています。

長期的な視点で「成果」を考えなければならない
そう感じました。

出所:「図解 ドラッカーがわかる本」山本誠志 著(学研)

プロか否かは「貢献」で決まる

ドラッカーが強調している根本原理の中に
「”成果”を上げるには、”貢献”を考えなければならない」
という言葉があります。

つまり、他人に貢献できない人は成果をあげられない、ということです。

例えば、

・いくらものすごい大発明をしても、他人の役に立たないものなら「成果」のうちに入らない
・表面上は成果が上がったように見えても、そこに「他者への貢献」が存在しなければ、成果とはみなせない

ということです。

「”成果”を上げるには、自らの果たすべき”貢献”を考えなければならない。
 ところが、ほとんどの人は、”成果”ではなく”努力”に焦点を合わせている」

この言葉は重いですね。

出所:「図解 ドラッカーがわかる本」山本誠志 著(学研)

大事なので最後にもう一度繰り返させていただきます。

「”努力”に焦点を合わせていてはだめ。あくまで”成果”に焦点を合わせなければならない。
 そして、”成果”を上げるためには”貢献”を考える必要がある。」

私自身、この言葉の意味を噛みしめて経営支援に携わっていきたいと思います。

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