【難易度】★★★☆☆
SUCCESsの法則とは
「SUCCESsの法則」とは“成功するための法則”!?
と思われがちですが、違うんですね。
「SUCCESsの法則」とは、スタンフォード大学のチップ・ハース教授と、デューク大学のダン・ハース教授の二人が2008年に発行した著書『アイデアのちから』の中で提唱した概念であり、プレゼンテーションやスピーチ、文章等で相手に効果的に伝えるための6つの要素をまとめたものです。
6つの要素とは、「Simple」、「Unexpected」、「Concrete」、「Credible」、「Emotional」、「Story」を指し、この6つの要素を押さえることで、読者や聴衆の心を惹きつける効果があるというものです。

SUCCESsの法則6つの要素
「SUCCESsの法則」が書かれた著書『アイデアのちから』では、人や世の中を動かすアイデアの仕組みや成功するアイデアの6つの法則が記されています。
その中で以下の6つの要素を盛り込むことで、人を惹きつける伝え方ができるとしています。
①Simple(シンプル)
単純でわかりやすい説明を行うことで、読み手にすんなりと内容を理解してもらう
②Unexpected(意外性)
読み手に興味を持たせるために、意外性のあるポイントを用意する
③Concrete(具体的)
説得力を持たせるために、なぜそうするのか具体的な証拠・事例をあげる
④Credible(信ぴょう性)
第三者の意見を加えることで、コンテンツに信ぴょう性を持たせる
⑤Emotion(感情に訴える)
人の感情に訴えかけることで、より読み手の興味を引く
⑥Stories(ストーリー性)
ストーリー仕立ての紹介をすることで、コンテンツにオリジナリティを持たせる
必ずしも、これら6つの要素がそろっていなければならないわけではありませんが、この法則を踏まえた上でプレゼンテーションを組み立てると、成功の確率が上がるとされています。
私自身の振り返り
私はセミナーなどで、普段から人前で話す機会が多く、このSUCCESsの法則を日頃から意識しているつもりでした。
話しの構成を事前に検討し、①よりわかりやすく端的に、③事例を交えて具体的に、④数字や学者等の考えを引用して信頼性を高め、⑤⑥聴いている方から飽きられないように感情を揺さぶるような物語性を取り入れる工夫をしていました。
しかしながら、今回この記事を書くにあたり、あらためて振り返ってみると、・・・
②の「意外性」という観点が漏れていたことに気づきました。
意外性を取り入れるためにどうしたらいい?と思い、調べてみたところ、
・人は自分の予想とは違うことを知った時に記憶に残りやすく、魅了されることが多くなる
・コンテンツを紹介するときに、意外性を持たせることで人間の記憶により深く刻まれる
・アイデア全体が予想外である必要はなく、”どこかに”意外性のある部分があれば十分
・「例:◯◯以外の人は絶対に見ないでください!」など、ユーザーに「ん?」と思わせることで効果的なマーケティングとなる。
とのこと。
上記にもあるように、どこか一部に意外性があれば十分ということですので、今後意識して(過度にならない程度に)、聴衆の関心を惹きつけられるように工夫していこうと思いました。
SUCCESsの法則の具体的運用方法
SUCCESsの法則の6つの要素を反映し、運用していく方法を紹介します。
プレゼンテーションやスピーチ、文章やキャッチフレーズなど、どれが一番効果的に伝えられるか複数案(構成、言い回し)を挙げることからスタートします。
それから、下表に沿って6つの観点からそれぞれのアイデアを評価し、3段階評価などで点数付けしていくとどこを改善すればいいかわかりやすくなります。

最初に考えられるアイデアを全て挙げ、それぞれ6つの項目について1〜3点で点数をつけていきます。

そして、合計点を記入し、点数が低いものは改善できる箇所をまとめます。

それぞれの点数を見て、どの要素が足りなかったのか、どの点を修正すべきか(修正できるか)を検討します。
すべての要素が完璧であるケースは少ないと思います。
もう一度振り返ることでアイデアをより素晴らしいものへと近づけていくことがだいじです。
また、合計点をつけることでどのアイデアがSUCCESsの要素を最も満たせているかなどを相対的に比べることもできる用になります。
以上のようなプロセスで最も良いと思われるアイデアを採用することで、多くの方を惹きつけるプレゼンテーション、スピーチ、文章に繋げていくことが可能になります。
【参考書籍】