“睡眠を試す“という新たな発想

【難易度】★★☆☆☆

【この記事では】
「枕のサブスクリプション」という新しいサービスにより、サブスクリプションサービスが “利用すること” から “事前に試すこと” に変化していることについて述べています。

【この記事のPOINT】

私の睡眠に対するこだわり

私は小さい頃から、日中に眠くなることがとにかく嫌で、
「夜更かし」よりも「早寝」を選択してきました。
(今でも寝不足や二日酔いで、日中のパフォーマンスが落ちることがないよう意識しています!)

人生の約1/3は睡眠が占めており(もちろん人にもよりますが)、睡眠は生きるうえで大変重要な行為、時間ですよね。

私はApple Watchを使うようになった6年前から、睡眠計測機能を利用し、毎日の睡眠の質を確認、こだわるようになりました。
自分の傾向としては、1日の歩数が多い日や、適度な筋トレをした日などは睡眠が深くなることがわかり、運動と睡眠の密接な関係も把握できるようになりました。

また、良質な睡眠にこだわることから、アイマスク、耳栓は必需品となり、
さらには寝る前にグリシンというアミノ酸(医学的にも睡眠に効果的であることが立証されている粉末状の食品です)を摂取することが習慣になりました。

家族からは睡眠に対するこだわり、というより神経質なだけじゃない!?などと言われていますが・・・。

睡眠を促す「ポケモンスリープ」の発売

ところで、眠りながらポケモンを捕まえる健康志向のゲーム 「ポケモンスリープ」をご存知でしょうか?

ユーザーは枕元にスマートフォンを置いてゲームをプレーし、夜にプレーヤーが「寝る」ことを通してポケモンを捕まえることができるという面白い発想で開発されたゲームです。

ポケモンは、Android/iOS用睡眠ゲームアプリ「Pokemon Sleep(ポケモンスリープ)」を7月にリリースし、7月16日からの1週間で最も多くダウンロードされたゲームとなり、8月25日には全世界累計で1000万ダウンロードを記録したようです。

出所:ポケモンスリープ公式HPより

ユーザーはスマートフォンを頭に近づけて眠り、ゲームアプリはスマートフォンのセンサーが捉えた振動を記録して睡眠の質を推定する。
睡眠の質が高ければ高いほど、より多くのポケモンを集めることができる。

「睡眠時間」はもちろん、「寝付くまでにかかった時間」や「睡眠の深さ」「睡眠時の録音データ」なども記録されるようです。

出所:ポケモンスリープ公式HPより

ゲームを始めるとすぐに始まるチュートリアルでは、最初にプレゼントされる相棒のピカチュウと一緒に「1時間30分以上の睡眠」をとらないと先へ進めない仕様となっており、当初は

「チュートリアルで1時間半寝ろっていわれて詰んでる・・・」

「チュートリアルのために寝なくてはいけない事件」

などの戸惑いの声がSNSに上がっていましたが、

最近は、

「以前は寝る時間がランダムでその日によって変えていたが、ゲームが、この時間には寝ていようという動機付けになった」

「子供たちが使う様になれば、夜遅くまでゲームしている悪習慣がなるなるかも」

といった好意的な評価する声が多数を占めているとのこと。

ユーザーが寝ている非アクティブな時間をゲームにしてしまう逆転の発想はさすがですね。

一時期、ポケモンGOを通じて街の変な場所に大量の人だかりが出来ることがありましたが、このゲームも行動変容させる力を秘めており、今後のユーザーの声が楽しみです。

「枕」のサブスクリプションサービス

さて、眠りに関する前置きが長くなってしまいましたが、今回のメインテーマに入ります。

先日、

「枕のサブスクで睡眠の質を上げる。AIが70万通りからパーソナライズ」

という記事がありました(Business Insider 2023.8.23)。

枕を販売する会社「THE PILLOW」が“枕”をサブスクリプション(※)として提供するサービスについてです。

※「サブスクリプション」=商品やサービスを所有・購入するのではなく、一定期間利用できる権利に対して料金を支払うビジネスモデル

「THE PILLOW」では、オンライン上で診断することで、AIが70万通りの枕の中からぴったりの枕をパーソナライズして提案してくれる。
枕自体は2万7500円と高額だが、サブスクプランを選択すると、月額1480円で利用することができる。もちろんAI診断付きだ。
最低利用制限や解約制限がないので、いつでも解約できる。枕が気に入れば、一括購入の代金2万7500円からサブスクプランで支払った額を差し引いて購入することも可能。

これまでのサブスクリプションサービスといえば、「定期購読」「定期購入」などと言われるように、所有するよりも、“利用すること”に重きを置いたサービスでした。

私が利用しているサブスクリプションサービスは、Amazonミュージック(音楽聴き放題)、Audible(オーディオブック聴き放題)、News Picks(経済ニュース購読)などがありますが、価値ある情報・サービスを定額で利用し放題、という位置付けのものです。

一方、今回の枕については、“利用すること” もそうですが、利用して気に入れば購入できるという “お試し利用” 的意味合いが強いと言えます

枕は実際に自分の寝具とあわせて試さないと自分に合っているかどうかの判定が難しいですよね。

高めの商品を購入する際、

「欲しいけど、値段が高いし、自分に合わなかったらどうしよう・・・」

といった不安を抱くケースは多いと思います。

今回のサービスは実際に利用したうえで、購入することができるという点では、今まで多くあった利用型サブスクリプションサービスとは若干異なると感じました。
(その他にも家具や服などで、利用→気に入ったら購入、という商品もありますね。)

少し高額なアイテムで、購入前に実際の使用状況でお試しができるサービスがあるのは助かりますし、今後、このような “お試し” 的意味合いのサービスニーズが増えていくと思われます。

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