【難易度】★★★☆☆
ブルーオーシャン戦略とは
ビジネスにおける市場空間を「オーシャン(海)」に例え、
すでに境界線が引かれてあるような既存の市場空間を「レッド・オーシャン」、
これまでに開拓されていなかった市場空間を「ブルー・オーシャン」と呼びます。
■ブルー・オーシャン:未開拓な市場空間
■レッド・オーシャン:既知の市場空間
※レッド・オーシャンとは、競合と血を流し「真っ赤な海」をイメージした競争の激しい市場を指す言葉です・・・恐ろしいネーミングですね。できれば避けたいものです。

ブルーオーシャン戦略で目指すものは「バリュー・イノベーション」
ブルー・オーシャン戦略を理解する上で重要になるのが「バリューイノベーション」という概念です。
バリューイノベーションとは、コストを下げながら、同時に買い手にとっての価値を高めることで、企業と買い手双方にとっての価値が飛躍的に高まった状態のことをいいます。
ブルー・オーシャン戦略の特徴は、この「差別化」と「低コスト化」の両方を同時に狙うところにあります。

しかしながら、差別化と低コスト化を実現しようとしても、
どのようにして差別化すればいいの?
どこのコストを下げればいいの?
というように、現実として戦略立案するにあたり大きなハードルがあります。
この戦略を検討する際に効果的な2つのフレームワークと6つの考え方を紹介します。
アクション・マトリックス
アクション・マトリックスとは、現状の業界に対して、新たな価値が生み出せないかを考えるための4つのアクションを表します。

「差別化」と「低コスト」を同時に追及するために、次に4つの問いを通して、業界のこれまでに戦略ロジックやビジネスモデルを刷新するためのものです。
具体的には次の4つの問いからなります。
Q1:業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何 か?
Q2:業界標準と比べて思いきり減らすべき要素は何か?
Q3:業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か?
Q4:業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か?
この4つのアクションを日本で200店舗以上を展開する理容店「QBハウス」を例に挙げると下記のようになります。
【QBハウスの「アクション・マトリックス」】

QBハウスは、従来の理容店で1時間程度かかっていたヘアカットを10分へと短縮し、髪を切るのに1時間程度かかるこれまでの常識を覆しました(減らす)。
また、シャンプー、ドライヤーといった行為を全てやめて(取り除く)、
かわりにエアウォッシャーというシステムを導入し、切った髪を吸い取るという方式をとっています(付け加える)。
他には、減菌機を座面毎に用意し、顧客ごとに新しいクシを使用する方式にしています(増やす)。
戦略キャンバス
戦略キャンバスとは、
【横軸】に顧客に提供する価値、
【縦軸】に顧客が享受するメリットの大小を示す
というグラフのことです。
上記アクション・マトリックスで整理した差別化ポイントを価値曲線を描くことで明確に表すことができます。
つまり、この戦略キャンバスを描くことで、ブルーオーシャン戦略のコンセプトを明確に視覚化することができます。
【QBハウスの「戦略キャンバス」】

既存の理容店と比べて、思い切り減らしたサービス、競合と差別化を図ってサービス向上させた部分が明確になっていますね。
市場の境界を引き直す6つの視点
最後に、ブルーオーシャンを見つけるための新たな6つの視点を紹介します。
ブルー・オーシャン戦略では、新たな市場を創造するため「市場を定義している価値を見直し、市場の境界を引き直す」という点に注力しています。
そして再定義した市場で、バリュー・イノベーション(差別化と低コスト化の両立)を引き起こそうと考えます。
そのための具体的な手法が下記の6つの視点です。
参考文献として最後に紹介している「ブルーオーシャン戦略」に記載されている内容ですが若干難しいかもしれません。
1.代替産業に学ぶ
同業他社だけでなく、同じ目的で使う財やサービスを提供する業界にも注目するということです。
たとえば、レストランが飲食ではなく「娯楽」という切り口で映画館を見ることがあげられます。
2.業界内の他の戦略グループから学ぶ
業界で同じセグメントの企業ではなく、他セグメントの企業にも注目し学ぶ方法です。
例えば、ホテル業界の場合、五つ星レストランは他の五つ星レストランを凌ぐことに注力しがちですが、同じホテル業界のほかの戦略グループ(例えば、格安ホテルなど)から学ぶことができるという考え方です。
※上記「1」で紹介したのは「他の業界」から学ぶことでした。
ここでは同じ業界の別グループ(戦略グループ)から学ぼうということを意味しています。
3.買い手グループに目を向ける
購入意思を決定する色々な事業者(小売店・買い手・利用者・買い手に影響を与える人等)に注目して、市場の境界を引き直す方法です。
この考え方は自業界あるいはターゲット業界が現在どの買い手グループを重視しているかを見極めた上で、業界が見過ごしてきた買い手グループに焦点を移すことです。
これまで顧客と見なさなかった人たち(非顧客層)から需要を掘り起こすことを意味しています。
4.補完財や補完サービスを見渡す
1つの製品やサービスはそれだけでは機能せず、別の材料やサービスが必要となります。
それらの補完材や補完サービスに目を向けることにより、買い手が必要とするソリューションが見えてくるという考え方であり、製品やサービスを補完する業界にも目を向けるということです。
たとえば、マイクロソフトのOSは、それ自体の機能では優位にたつのではなく、他のアプリケーションソフト開発においてデファクトスタンダード化することによって、で一気にブルーオーシャンを獲得しました。
5.機能志向と感性志向を切り替える
機能をアピールしているものは、感性に目を向け、感性をアピールしているものは、機能に目を向けてみるということです。
主に価格と機能性で勝負するのが機能志向である一方、顧客の心に好ましい感情を芽生えさせようとして競争するのが感性志向となります。
機能志向から感性志向へ、あるいは感性志向から機能志向へと切り替えるか、両方の特性を兼ね備えると、往々にして新たな価値コスト・フロンティアを開拓できるという考え方です。
上のQBハウスは、従来の感性志向から機能志向を押し出すことで成功した例といえます。
6.将来を見通す
グローバル環境、規制など、将来的なトレンドをよく見て、それが顧客価値にどのような影響を与え、既存のビジネスモデルをどう変化させてしまうかを見極めて、早めに手を打つということです。
例えば確実に少子高齢化が進むなどは大きなトレンドの1つです。
まとめ
ブルーオーシャン戦略の概要は理解できても、実行に移すにはハードルが高いと考える方は多いのですが、上記の流れでフレームワークに基づいて検討することで、当社独自の差別化ポイントを見出し、業界常識から大胆に取り除くことができるサービスポイント(コスト削減)を把握することに繋がります。
今まで競合が見つけられなかった新たな市場領域(=フルーオーシャン)を見つけられる可能性も高まってきますね。
【参考資料】

