【難易度】★★★☆☆
競争戦略には2つの種類があります。
それは「外を見るか」「内を見るか」という違いです。
“従来”は「外」から考える戦略
「ライバル他社といかに差別化を図るか」
「ライバル他社を見据えて、いかに自社の有利なポジショニング(立ち位置)を決めるか」
が重要と言われ続けてきましたが、
“最近”では「内」から考える戦略が、あらためて注目されるようになってきました。

ライバル企業の動向には敏感になっているものの、
自社の強みを活かしきれているかどうかを再確認するうえで、とても有効な考え方です。
ポジショニング・ビュー(外視点)
従来のように、差別化することを目的に自社のポジショニング(立ち位置)を考えて、優位性を見つけ出す方法を「ポジショニング・ビュー」と言います。
文字通り「ポジション」をどこに置くかが重要であり、
空間的な立地、人の中に占める心理的な立地、競争市場・取引関係などにおける立場・地位なども含めて、自社のポジションをどこに置くかで利益が出やすいか否かを考えていく考えです。
この代表的な考えが、ポーターの「ファイブフォース分析」ですね。

この「ファイブフォース分析」は、5つのカテゴリーに分類されます。
①既存の競争企業との関係
②新規参入の脅威
③買い手の交渉力
④売り手の交渉力
⑤代替品の脅威
これらの5つの競争要因が厳しくなればなるほど業界の利益ポテンシャルが低下し、
有利に立てれば利益ポテンシャルが高まるという考え方です。
ポジショニング・ビューは、 合理的かつとても緻密に分析が出来る代わりに・・・
これから競合がどう変化していくのか、社会情勢がどう変わっていくのかがわからない中で、今後の予測をして戦略を打ち立てていく方法ですので、先行きが不透明な現代において、企業にとって不便で融通の利かないものが出来上がる可能性もあります。
また、成熟産業の分析には向いていますが、成長産業には向いていないとも言えます。
なぜなら、成熟産業では業界構造が固定化されているため、対抗度や買い手・売り手の交渉力などが分かり易いのですが、
成長産業では業界構造が固定していない場合もあり、うまく効かない可能性があります。
つまり、この分析手法は流動的な成長期ではなく、業界の集中度などがある程度固定化された成熟期に高い分析力を発揮する手法なんですね。
リソースベースト・ビュー(内視点)
一方、自社に目を向ける競争戦略「リソースベースト・ビュー」といいます。
リソースベースト・ビューは自社の経営資源(リソース)を武器として、長期にわたって競争に打ち勝ち、利益を上げていく考え方です。
自社の強みである経営資源は「コア・コンピタンス」と呼ばれています。
コア・コンピタンスを提唱したゲイリー・ハメル氏とC・K・プラハラード氏は下記のように定義しています。
【コア・コンピタンス】
“顧客に対して、他社には提供できないような利益もたらすことのできる、
企業内部に秘められた独自のスキルや技術の集合体”
このコア・コンピタンスに基づく競争戦略が 「リソースベースト・ビュー」という考え方です。
もっと端的に表現すると
「自己の経営資源による競争優位性」ということで、
コアコンピタンス(自社の核となる技術)を軸にして、
ブランディング、そしてポジショニングを考えて行くものです。

成功は「偶然の産物」でもある
うまくいった会社は、本当に、初めから狙って他社にはない商品を作ったり、 他社にはないポジションを見つけ出して戦略をとっているのでしょうか?
実際は違うことがほとんどではないでしょうか?
計画をしてその計画通りになった会社というのは少数派であって、
大多数は、「色々やったり色々考えていて気付いたら、そのポジションを取れていた」というのが、現実かと思います。
企業的な視点から考えても、ポジションから考えるのは、企業の良い面を潰しかねないリスクさえ多々ありますので、外部に影響を受けることが少ない、自社の強みを伸ばしていくことが重要とも言えます。
この「ポジショニング・ビュー」と「リソースベースト・ビュー」は、
SWOT分析のように環境の機会・脅威、自社の強み・弱みのように
本来、一緒に考えるべきところ、
戦略論では環境の機会・脅威の分析が発達したため、
その反動でリソースベースト・ビューの考えが発達していったという流れがあるようです。

コア・コンピタンスは、会社の事業、ビジネスの根幹を担う考え方で、ブランディングにもつながる概念です。
しっかりと自社について振り返り、負けない競争戦略を考えていきましょう。

