【難易度】★★★☆☆
新年あけましておめでとうございます。
今年最初の記事はファイナンシャルプランナーの観点から、“守備力を高めること(=税金に対する意識向上)“ について記載させていただきます。
2024年1月からの新NISA制度は、投資上限金額や非課税期間などが大きく拡充されますが、皆さんは手続きしましたか?
まだであれば、ぜひ検討されればと思います。
そもそもNISAとは?
「NISA(ニーサ)」とは、「少額投資非課税制度」のことであり、株式や投資信託の配当金や分配金、値上がりで得られた売却益が非課税になる国の制度です。
投資で得られた利益は通常20.315%の税金がかかるので、この税制メリットはかなり大きいと言えます。
今回の改正点
今回の改正により、大きくバージョンアップした点は下記のとおりです(楽天証券HPから引用)。
投資額の拡充や、非課税保有期間が無制限となったことは大変有効なポイントだと言えます。
税金について思うこと
日本は諸外国に比べ、税金に対する意識が低いと言われています。
会社経営者の方は別として、会社員の方は源泉徴収により、年末調整を行うことで会社が納税してくれるため、どうしても納税意識が低くなりがちです。
しかし、会社経営にあたっては
収益=売上−費用
であるように、
個人で考えても
手取り額=収入−納税額
であり、
いかに収入を増やそうとも、どれだけ税金が取られているかを把握しておかなければ、手取り額は増えないことになります。
攻め(収入増)だけでなく、守り(合法的な税負担軽減)の両面で考えることが重要ですね。
投資の神様ウォーレン・バフェット氏の発言
米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の発言が数年前に衝撃を与えました。
「自分が納めている所得税の税率は秘書よりも低い。」
同氏にかかる所得税率17.4%であり、秘書など部下の半分程度の税率ということです。
この理由は「株式売却益」「配当収入」など金融所得が低いことにあります。
一方、雇用されている秘書などの部下は、給与所得として高い税率が適用されている制度となっています。
バフェット氏を初めとする富裕層は、金融所得が多いわけですが、アメリカの金融所得には、15~20%の低めの税率が適用されます。
給与所得よりも金融所得の比率が高いほど、年収全体に対する税率も下がっていく仕組みです。
こうした現象を問題視し、富裕層に対しては、金融所得にも30%の最低税率を課す、『バフェット・ルール』
を導入する議案を提案。
バフェットが自利利他の精神(自身にとって不利になることを厭わず)で提案するとは、大変説得力のあることですね。
しかしながら、この提案は実現に至りませんでした。
また、日本も例外ではありません。
金融所得に対する税制は、上場株式の売却益20.315%(分離課税)、上場株式の配当収入20.315%(分離課税も選択可)。
一方、給与所得に関しては、
課税所得1800万円超で税率50%(住民税含む)。
課税所得4000万円超で55%(住民税含む)。
この矛盾は、グローバル化の副産物と言われています。
マネーが国境を越えやすくなった今、税率の低い国に資金が集まるようになり、
マネーを集めようとすれば、どうしても税率を低めに設定する必要あり。
この結果、秘書の所得税率より、大富豪の税率の方が低いという不可解な現象が起きているのです。
私自身、社会正義に反する過度な節税は決してお勧めしませんが、税金に対する知識を高め、健全な財産形成、会社経営は別の話であり、大変重要なことだと言えます。
特に今回は、日本の投資意識を高めるために国が後押ししている制度です。
まだ活用されていない方は、ぜひご検討ください!