知の見える化&知の進化【SECIモデル】

【難易度】★★★☆☆

【この記事を読むことで】
・個人が蓄積した知識や経験(暗黙知)を組織全体で共有していく方法(形式知化)が理解できます。
・さらに形式知を暗黙知化させて、企業発展のサイクルに繋げる「SECIモデル」の概要を把握できます。

【この記事のPOINT】

「形式知」と「暗黙知」とは?

【形式知】
知識や経験をマニュアルなどで他者に共有できる状態にしたもの。
主観的な知識を文章や図を活用して言語化したもの
個人がもつ経験にもとづく知識や営業手法などをマニュアル化し、客観的で有益な知識として共有されるものがあげられる。

【暗黙知】
個人のもつ経験や知識のうち、教えるのが難しいもの。
個人の過去の経験から成り立つ主観的な知識、あるいは言語化されていない(できない)知識
主観的な知識である暗黙知を第三者に伝えようとしても、物事の捉え方は人それぞれのため、知識の正確な落とし込みは難しい。

「形式知」と「暗黙知」を自動車の運転を例にすると

例えば、

初めて自転車に乗る際、ハンドルの切り方やブレーキのかけ方などの基本的な操作は口頭やマニュアルで教わります。
これは聞いたり読んだりすれば誰でも意味を理解できる「形式知」です。

運転方法を学んだら教わったとおりに運転してみることがほとんどです。しかし運転方法を知っても、すぐ運転できるようにはなりません。
何度も練習してコツを掴み、最終的には「ハンドルはこのように切る」「ブレーキのかけ方はこうだ」と毎回考えなくても、個人の感覚で運転できるようになります。

しかしそれを誰かに教えるのは難しいでしょう。この個人の感覚というのが「暗黙知」です。

「暗黙知」を活用するための2つの方法

暗黙知が個人の中に眠っているままでは意味がなく、企業が組織として暗黙知を活用して結果を出すことが重要です。

そのために、

①暗黙知の形式知化(いかにして暗黙知を他人が理解できるように形式知に転換するのか)
②個人から組織へ(いかにして個人の知を組織として共有するのか)

の2軸での拡張が必要です。

暗黙知を形式知に変換するメリット

業務の質を全体的に向上できる

優秀な従業員の思考や技術を形式知化して共有できれば、従業員全体の業務の質があがります。
これは生産性の向上や業務効率化につながり、企業の利益拡大に役立ちます。
また、ノウハウや知識がデータベースやナレッジマネジメントツールに蓄積されれば、すべての従業員がいつでもその知識を得られる環境が構築できます。
すでに知識をもつベテランの従業員が後輩からの質問に時間を取られることもありません。
業務に携わる多くの人が、不明点をすぐに解決できるようになります。

属人化を防げる

暗黙知のまま一定の業務が行われていると、その業務は担当者にしか行えない、いわゆる「業務の属人化」が発生します。
業務の属人化は組織にとって大変厄介な問題であり、担当者の退職や急な休みの問題の他、業務のブラックボックス化により、適正な業務を行っているのかがわからなくなってしまします。

しかしマニュアル化などで暗黙知が形式知化していれば、担当者の急な退職や休みにも他の従業員が対応できまるようになります。
暗黙知の形式知化は、担当者の不在による業務効率の低下を防ぐのはもちろん、将来知識や技術が企業から失われるのを防ぐことにも繋がります。

従業員の教育が迅速に行える

暗黙知をマニュアルやノウハウ動画などに形式知化すると、若手従業員の教育コストを抑え、より迅速に人材育成できます。
近年OJTをサポートするeラーニングが注目されているのもこうした理由からです。
研修にかける時間や場所代を抑えられるほか、日程調整など人事担当者の工数削減にも繋がります。
これまでは、上司の背中を見て学ぶといった曖昧な教育法で伝授されてきたスキルが可視化され、業務におけるコツや考え方を初期から効率的に学べるようになります。

暗黙知を形式知に変換するSECI(セキ)モデル

ナレッジマネジメントは、SECI(セキ)モデルと呼ばれるフレームワークに沿って実践されるものです。
そこでは暗黙知から形式知へと知識が転換し、さらにまた暗黙知へと変わるというスパイラルな構造が考えられ、そのプロセスは4つのフェーズに分けられます。

共同化

「暗黙知」「暗黙知」として伝える段階。

経験を共有することで第三者に暗黙知を落とし込み、創造します。

具体的には、同じ作業を一緒にやりながらその技やルールを身に付けさせるOJTや子弟制度などはこれらの方法のひとつです。

表出化

「暗黙知」から「形式知」へと変化する段階。

暗黙知を共有した後、それを言葉や図などで明確にしていきます。

具体的には、「マニュアル化する」「例を示す」「動画にする」などがこれらの方法となります。
暗黙知が主観的なものであるのに対し、表出化された形式知は客観的で論理的な知識となります。

結合化

すでにある「形式知」「形式知」を結びつける段階。

結合化のプロセスにより、新しい知識が形成されます。
このフェーズにより、従業員のもつ潜在的な暗黙知が組織財産として活かされます。

具体的には、「他の部署で行っている方法を取り入れて業務効率の向上をはかる」「いくつかのグループのマニュアル内容を比較、補完しあって包括的な内容にブラッシュアップする」ということが考えられます。

内面化

「形式知」「暗黙知」となる段階。

形式知が従業員の知識として内面化され、新たな暗黙知へと変化します。
つまり、頭で理解した形式知を練習することによって、個人の暗黙知としていく過程です。

例えば、新規事業の立ち上げによって必要になった業務内容を新たにマニュアル化し、それを実践していくような場合、日々の業務を通じてマニュアルに書いていない新たなコツやノウハウが身についたりすること、つまり暗黙知を生み出すことに繋がります。

そして再び共同化・表出化を繰り返して知識の向上へと繋がります。

知識は企業にとって資産であり成長を続けるために必要なものです。

企業に眠るノウハウを形式知に変換し、生産性や顧客満足度の向上に繋げることは大変重要なことです。

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