【難易度】★★★☆☆
そもそもビジネスモデルとは?
そもそも「ビジネスモデル」とは何なのか?
という点ですが、現時点でこの言葉の定義は様々あります。
あえて共通点を挙げれて表現するとすれば、
「戦略、実行に“収益を生み出す仕組み”を加えた統合的な事業の仕組み」と言えるかと思います。

ビジネスモデルキャンバスとは?
ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの構造を可視化したフレームワークです。
新規事業を立ち上げる際は、自分たちのビジネスモデルに対する理解を深めることと同時に、社内や出資者への説得力のある説明が必要になります。
既存事業においても、現状確認を通じてビジネスモデルの優位性や弱点の発見をすることで、より強固なビジネスモデルにブラッシュアップすることができます。
ビジネスモデルキャンバスは、新規事業の立ち上げや既存事業において、組織内で共通認識を持つための設計図と言えます。

ビジネスモデルキャンバスを構成する9つの要素
ビジネスモデルキャンバスは、9つの要素から構成された1枚のシートであることが特徴です。

【1】 顧客セグメント(CS:Customer Segments)
自社の商品やサービスの利用者をイメージする項目で、「誰に価値を提供するのか」「最も重要な顧客は誰なのか」を明確にします。
「狙う市場で押さえておきたい顧客層はどのグループか」「顧客のニーズを解消できる価値はなにか」といった視点で探ります。
【2】 価値提案(VP:Value Propositions)
価値提案は、自社の商品やサービスの「競合他社にはない価値はなにか」を探っていく項目です。
特定の顧客セグメントに対して、「どんな価値を提供するのか」「どういったニーズを満たすのか」を記述します。
【3】 チャネル(CH:Channels)
自社の商品やサービスの「競合他社にはない価値はなにか」を探っていく項目です。
特定の顧客セグメントに対して、「どのチャネルを通じてアプローチするか」「どのように価値を提供するか」を記述します。
例えば、ホームページ・口コミ・CM・SNSなどがあり、顧客層に合わせて最適なツールや方法を選ぶ必要があります。
【4】 顧客との関係(CR:Customer Relationships)
「顧客との関わり方、関係性を維持する方法」を探る項目です。
特定の顧客セグメントと、「どのような関係を構築するか」を記述します。
例えば、セルフサービスのように浅く関わる仕組みをつくるのか、一対一などの深く関わる仕組みをつくるのか、商品やサービスを使う顧客のニーズに合わせて検討していきます。
【5】 収益の流れ(RS:Revenue Streams)
顧客が商品やサービスに対して「どれほどお金を支払ってくれるのか」を探る項目です。
顧客は「どのような価値にお金を払うのか」「何にお金を払っているか」「どのようにお金を払っているか」を決定します。
支払い方法は一括なのか、継続して支払うのかなど、顧客の支払い方法も一緒に検討していく必要があります。
【6】 リソース(KR:Key Resources)
事業活動に必須の「経営資源(人材、物、資金、情報など)」を探る項目です。
「価値を提供するのに必要なリソース(資源)は何か」という、ビジネスモデルの実行に必要な資産を記述します。
資材や機械といった物理的な資産以外にも、知的財産や人的リソースなども含まれます。
また、会社が所有しているものもあれば、リースやパートナーからの提供リソースもあります。
【7】 主要活動(KA:Key Activities)
事業活動から価値を提供するために「必要な準備や行動」を探る項目です。
商品の製造、人材採用、ホームページやECサイトの設計など、事業活動の軸になる活動全般を検討することが必要です。
製造、サプライチェーンマネジメント、市場調査、人材採用など、必ず実行しなければならない重要なアクション、価値提案の差別化の最重要要因となる活動にフォーカスします。
【8】 パートナー(KP:Key Partners)
仕入れ・物流・製造の業者など「事業活動のパートナー」になる企業・ワーカーなどを探る項目です。
自社の商品やサービスを提供するためには、基本的にほかの企業やワーカーなどに業務を委託するなど、何かしらの協力体制を得ることが必要です。
顧客とパートナーが重複する場合もありますが、お金を支払う相手はパートナーに、お金をいただく場合は顧客セグメントに記述します。
【9】 コスト構造(CS:Cost Structure)
ビジネスモデルを運営するにあたり発生するコストを記述します。
固定費と変動費を分けて考えるとわかりやすくなります。
たとえば、人件費や宣伝費、外注費や仕入れ費用など、初期費用やランニングコストを含めて検討する必要があります。
9つの要素に関して、ビジネスモデルキャンバス上では、商品の価値である、「顧客に何を提供できるか?」という「価値提案」を中心に、「左側:自社のコスト」、「右側:顧客の状況と収入の流れ」の左右に分けることができます。

ビジネスモデルキャンバス作成のポイント
実際にビジネスモデルキャンバスを作成する際には、以下の点に注意をしてください。

全てのブロックを埋める
ビジネスモデルキャンバスは、全体の関係性を見ることが重要です。
正確性や完全性にはこだわらなくて良いので、まずは全てのブロックを埋める意識をすることがポイントになります。
最初の作成に時間をかけすぎない
ビジネスモデルキャンバスの利点の一つは全体像を把握することにあります。初期作成で一つの要素に時間をかけるよりも、まずは時間をかけずに作成し、徐々に精度を増していくことがポイントです。
作成する際は、可能性があるものは迷わず書き出し、アイデアを見える化することが重要です。
複数人で検討する際は、付箋を使うのもおすすめです。
複雑にしすぎない
全ての要素を書き込みすぎると、結局完成したビジネスモデルキャンバスを共有したとしても理解が難しい状態になります。よって、シンプルな作成を意識することが大事です。
ビジネスモデルキャンバスの欠点
ビジネスモデルキャンバスは万能なフレームワークではないため、作成前に欠点を把握しておくことが大切です。
事業に落とし込めない可能性がある
ビジネスモデルキャンバスを用いてアイデアを検討しても、実現できる内容かは別問題になります。
すでに競合他社が市場を独占している状態など、新規参入が難しいケースもあります。
また、誰もが思いつくようなアイデアになりやすい可能性もあり、ツールとして活用しながらも、独自の視点を見いだすことが必要です。
ビジネスの基礎知識が必要になる
ビジネスモデルキャンバスは、ある程度ビジネスの基礎、マーケティング知識がある人向けのフレームワークです。
ビジネスの初心者が使う場合、用語の意味の理解など、ひとつずつ疑問にぶつかってしまい、時間がかかる可能性がありますので、経営コンサルタントからの助言に基づき、一緒に検討することが望ましいです。
他のフレームワークとの併用が必要になる
ビジネスモデルキャンバスだけでは、既存のものと変わらないアイデアしか出ない可能性も考えられます。
たとえば、SWOT分析や3C分析など、自社と競合他社を比較検討できるほかのフレームワークと併用することで、欠点を補うことにつながります。

