【なぜ!?】キャッシュレス増加、なのに現金が増える謎

【難易度】★★★☆☆

|今朝の日経新聞に「キャッシュレス、なのに現金増」という興味深い記事がありました。

【この記事のPOINT】

新聞記事の概要

クレジットカードや電子マネーによる決済が広がり、現金を使う機会が減っているのに紙幣の発行が増えている、との記事。

出所:日本経済新聞(2022.12.26)

しかも、日本だけでなく、米国や欧州でも同じように起きているとのこと。

出所:日本経済新聞(2022.12.26)

なぜ!?

結論から先にお伝えすると、

「キャッシュレスを使いこなせない高齢者の比率が高いこと」

が影響しているらしいです。

キャッシュレス決済が浸透する裏で紙幣の発行が増える現象は「銀行券のパラドックス」と呼ばれており、22年11月の紙幣の発行残高(月末)は、121兆円と前年比2.8%増、近年は対前年で2~6%ずつ増加しているようです。

出所:日本経済新聞(2022.12.26)

現金が増えている3つの要因

現金増の要因は主に3つ挙げられています。

1.金融機関の支店の統廃合
2.コロナ禍での先行き不安
3.高齢化の進行

1.金融機関の支店の統廃

低金利が長引き、厳しい収益環境に直面している銀行は支店やATMの数を減らしており、預金を引き出せる窓口やATMの数が減っています。
手間やお金を節約するために1度に多くの現金を引き出す利用方法が増えたようです。
私も小まめに引き出すのが面倒なので、一度に結構多めに引き出す傾向があります。

2.コロナ禍での先行き不安

コロナ禍で収入減少や失業への懸念が生じたたため、行きの不安から手元に現金を多めに保有したい人が増え、特に1万円札の発行が増加したとのこと。
海外も同様で、米連邦準備理事会(FRB)は「不確実性の増大に直面した人々が現金を積み増した」と報告しています。
これも気持ちはわかりますね。

3.高齢化の進行

先の図で示したように、日銀が事務局を務める金融広報中央委員会によると、5万円以上の決済で現金を使う人の割合は70代が最も多いというデータがあります。
スマートフォンやアプリを前提とした金融サービスの広がりが高齢者の現金需要をむしろ強めているとの分析もあるようです。デジタル決済などのイノベーション(技術革新)が金融サービスにアクセスできる人を増やしている新興国とは反対に、日本のような先進国では高齢者が取り残されてしまっており、京都大学の岩下直行教授は「金融包摂は新興国の課題から先進国の課題へと逆転しつつある」と指摘しています。
若年層が多い新興国では、新しい技術や文化への適応が進みやすい一方、先進国では「世代間のデジタルリテラシーの差を埋めにくく、高齢者ほどデジタルを活用した決済から遠ざかってしまいやすい現状がある」という現状。

先進国では幼いころから現物のお金に慣れ親しんできた人が多い。
「実体を感じにくいデジタルよりも、自分の信頼を託す象徴として、現金を好む人は高齢層に多い」
という事実が見えてきます。

今後の課題

現金増には負の側面があります。
行方を追えない現金が大量に出回ると、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などの温床になりやすいとの指摘もあります。

私は金融機関に勤務しているので、現在はマネーロンダリングの対策が細かく定められており、日々取締が強化されている社会の流れを痛感しています。

また、実家の両親もデジタル、ITに関して苦手意識が強く、利便性が高くなった現代の恩恵を受けていないことにもったいなさを感じています。(両親宛にメールを送っても、電話をしないとずーっと未開封のままです・・・)

このような高齢者のデジタルリテラシーを解消するための対策にもっと力をいれていくべきなんでしょうね。
デジタル機器操作のセミナー、講座を増やしたり、高齢者にも使いやすい機器の充実とか・・・。

ビジネス面で見ても、その辺りに大きな市場があると感じました。

Please share!
  • URLをコピーしました!
【この記事のPOINT】