【見極めが重要】「問題点」と「課題」の違い

【難易度】★★★☆☆

【この記事を読むことで】
「課題」の意味を正確に把握することができ、[努力]が[成果]に結びつきやすくなる思考が持てます

【この記事のPOINT】

戦略的思考をするためには、「現状」と「理想の姿」のギャップを掘り下げる

以前、投稿した記事「経営戦略を立てる時の流れ」の中で、戦略の立案~実行までの流れをどのような思考で行うべきかを説明させていただきました。

読んでいない方はぜひ↓からご覧ください。

そこで出てきた「問題点」と「課題」について違いがよくわからない、との質問を受け付けましたので、今回はその説明をいたします。

下に記載したフローが経営戦略を立てる際の流れです。
「現状」と「理想の姿」との間にあるギャップである「問題」を認識し、その中から「原因」を探って「課題」を見つけるというフローです。

自分がコントロールでき、影響を与えられる範囲を見極める(=影響の輪)

まず本題に入る前に、名著「7つの習慣(スティーブン・R・コービー)」について触れさせていただきます。

何かを成し遂げるには、「時間」とそこに使う「エネルギー」が必要です。
この時間とエネルギーを、私たちは自分の関心ごとに注ぎ込みます。
その際、問題となるのはこの関心ごとにあります。
「7つの習慣」では、様々な関心ごとを「関心の輪」と呼び、この関心の輪の中にはもう一つの「影響の輪」があるとしています。

「影響の輪」とは、自分の関心ごとの中で、自分がコントロールでき、影響を与えられる範囲を指します。
ですから、この影響の輪に時間とエネルギーを注ぎ込むと、概ね自分が思い描いた結果を得やすくなります。

例えば、明日外出する予定があるため、明日の天気に関心があったとします。
しかし、どう頑張っても明日の天気を自分の力で変えることはできません。
明日の天気は「関心はあるが、変えられないもの、影響できないこと」、
つまり、関心の輪(影響の輪を除いたドーナッツ状の部分)に入ります。

一方で、お腹が減っているときの「夕飯のおかず」はどうでしょうか。
調理するにせよ、スーパーで総菜を買うにせよ、自分が行動することで好みに応じて夕飯のおかずを用意することが可能です。
つまり、夕飯のおかずは「関心があり、かつ変えられるもの、影響できること」であり、「影響の輪」に入るわけです。

2つの輪のうち「影響の輪」の中にある事柄であれば、私たちは自分で影響しコントロールすることができます。
ですから、私たちは影響の輪のに集中して行動したほうが、望む結果に近づくことができます。

しかし、私たちは、

「明日は雨が降るかな……降らないと良いのだけど」
「会長の機嫌が悪そうだ。相談しないといけないことがあるのに困るな……」
「先日買った企業の株価、下がったまま当分戻りそうにない」
「今日は天気が悪いから、とてもじゃないけど気分が乗らない」
「あの時なぜあんなことで失敗しちゃったんだろう。やめとけばよかった」

など、自分では変えられないもの、影響できないことに意識を向けて、悩んでしまうことが往々にしてあります。
自分で変えたり影響できない「関心の輪」に、貴重な時間や無駄なエネルギーを使うことは避けたいものです。

「問題」の中にある、自分の意思で成果を上げられる領域が「課題」

さて、ここで「問題点」と「課題」の違いについて説明いたします。

これまでの流れでいうと
自分で変えたり影響できない「関心の輪」=「問題点」
自分がコントロールでき、影響を与えられる範囲である「影響の輪」=「課題」
というようなイメージで捉えるとわかりやすいと思います。

「問題」とは現状と理想の姿の差であり、解決すべき事柄ですが、自分たち変えることのできない事柄も含まれています。
ですから、原因を探って、
自分たちでコントロールできる「影響の輪」内の「課題」を見つけ、そこに集中して取り組んでいくことが重要なんですね。

もっとわかりやすくまとめると

「問題」:理想の姿と目標とのギャップ
「課題」:ギャップを埋めるためのアクション

といったところでしょうか。

とにかく、経営戦略策定を通じて「課題」を明確にし、的を射た「解決策」「アクションプラン」を立てることは大変重要なことと言えますね。

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