「理論」を「実践」へ活かす  ~私の目指す経営コンサルティング~

【難易度】★★★☆☆

【この記事では】
・私の理想とする経営コンサルティング(想い)
・私がMBAを目指したきっかけと大学院での学び(過去)
・今後活かしていきたいこと(未来)
 について記しています。

【この記事のPOINT】

私の考える理想のコンサルティング支援

中小企業の経営者の方々は(やりがいや社会的貢献が大きいことは当然ですが)、本当に忙しいですよね。
次から次へと目の前に対応しなければならない業務が入り、心身ともに休まらない状況が続くことも多いのではないでしょうか。

経営者の方は悩み事も多岐に渡るかと思いますが、下記の言葉があるのを知っていますか?

「悩んでいる多くのことは、研究されてすでに学問的に解決策が提示されている」
  by 西内啓(東京大学大学院助教授)

人類(壮大すぎ!?)は試行錯誤を繰り返し、今日まで発展してきています。
これまで偉大な先人が考えに考え抜いて導き出された「解」、もしくは「最善策」が数多く残されているのは事実です。
それをうまく自社(自身)の問題に適用させることはできないのか?
そのようなことを思いつつ、「先人の知恵を存分に活用する」ということが経営において重要、と考えるようになりました。

つまり、

「理論」を「実践(経営)」に活かすこと
経営コンサルタントとして「理論」と「実践」の間の大きな隔たりを繋ぐ役割
言い換えれば、難解に見える「理論」を翻訳して経営に取り入れる役割を担うこと

そうした経営支援に取り組んでいきたい、という強い想いを抱いています。

そのような支援を行うことで、

経営者が直面する “具体的” 経営課題を “抽象化” することにより、
偉大な先人が導き出した「理論」「公式」に当てはめることができ、
その「理論(抽象)」から「個別の経営課題解決(実践)」に落し込むことができるはず!

と考えています。

理論を有効活用するためには「抽象化」がキーワードになります。

【抽象化とは?】
「具体的なもの」を「形のない概念」へと置き換える思考のプロセス

問題解決のパターンとして、「具体」と「抽象」を行き来する思考法として、下記の3つがあります。
③の「具体抽象具体」という流れで考えることで、理論を当てはめて思考することが可能になります。

出所:「具体⇔抽象」トレーニング(細谷功著)から抜粋

その結果、表面的問題解決や机上の問題解決にならず、「根本的な問題解決」に貢献できることに繋がる、
そのようなコンサルティングを実践していきたい、
というのが私の想いです。

私にとってMBAとは?

社会人になりたてのころ、「企業経営全般の知識を習得できる」という触れ込みでMBAという学位があることを知りました。

「MBA」とは、Master of Business Administrationの略称
日本では、経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院修士過程を修了すると与えられる学位です
MBAのカリキュラムは、人的資源管理、財務会計、情報・マーケティング、統計学、経済学といった科目を中心に構成されており、経営に必要な知識と技術を体系的に学びます
座学として学ぶのではなく、現場で通用する実践力を身に付けることを主眼としています

30代半ば、営業課長になったばかりで色々な困難に直面していた時、直属の上司がMBAホルダーの方で、その方の仕事における視点の広さや着眼点の違いを感じる場面が多々あり、とても衝撃を受けました。

また、会社の教育プログラムの中に、MBA単科(興味ある科目を希望に合わせて選択できる)の受講カリキュラムが用意されており、私は2科目ほど受講したのですが、自分にとって大変興味のある学問であることを体感することができました。

そして、会社では上層部の役員にもMBAホルダーが複数いること、
さらに、全社戦略の中で”後継者育成支援分野へのサービス展開”を検討しており、MBAのエッセンスを取り入れた教育プログラムをお客様向けに導入予定という経営方針も知り、自分にとってMBAは日を追うごとに”興味”から”学びたい”、むしろ”早く習得しなければ”という想いに変化していきました。

しかし、MBAを通じた知識習得意思はあったものの、(定期的に全国転勤があること、また、営業課長として多忙を極めていた時期でもあり)大学院に通うことは無理な状況でした・・・(泣)。
そのため、MBAの内容と似ていると言われる「中小企業診断士」を時間の合間を利用して学習することにしたのが30代後半です。

その後、40歳を超えたタイミングで現在従事している ”事業承継コンサルタント” に就任できたことをきっかけに、時間的に不規則な営業と異なって夜間、休日で通学することが可能となり、MBAと中小企業診断士をともに学べる大学院に行くに至りました。

MBAの本質

MBAの本質とは、

「状況がはっきりしない中、限られた情報・時間の中で、いかに事態を分析し、判断を下すか」
「答えのない問題に対して、不完全な情報をもとに論理的思考を通じて、仮説を立てながら最適解を導く」

といったことであり、実際の経営に近く、実践的、グループ討議を中心として複数の人と最善の提案を作り上げること等、講義や実習で”理論を実践に活かす訓練”を行ってきました。

また、

「中小企業診断士」外部(診断・助言)視点
「MBA」内部(経営者)視点

とも言われ、これまでの中小企業診断士の資格勉強プロセスは知識習得中心であり、机上の空論になるのでは? との恐れを抱いていましたが、MBAにおいては、学んできた知識を経営者の立場でアウトプットする難しさを痛感しつつ、実践的な訓練を積むことができたと感じています。

想像以上に豊富な先行研究の数々

大学院では多くの研究論文を読みました(・・・というより、必要に迫られて読まざるを得ない状況でした)。

同じテーマでも、様々な切り口で、特定の分野で深く掘り下げた研究が数多くあり、自分が調べようとしていたことがすでに一定の答えが出されている等、先行研究の多さと解の質の高さに驚きました。

先行研究に触れる過程で、

・先代の叡智が現代に残されている価値の大きさ
・その叡智が有効活用されていないことのもったいなさ
・疑問に感じていた答えが研究データで出ていた衝撃 など

自分の中に色々な想いが駆け巡りました。

経営における「ヒト」の重要性を認識

人的資源管理論という「ヒト」に関する研究をするゼミに2年間所属しました。
「ヒト」に関する資産は決算書に載らないが、最も重要な経営資源であること、また、従業員の能力育成やモチベーション向上が会社業績に大きく影響することなどを学ぶことができました。

修士論文は、自分の専門分野でもある「事業承継」をテーマにして2年間研究しました。
実務で得る学びでは補えない部分を、学問という観点で習得できたことは大変意味ある研究ができました。

そして、

事業承継の本質は
・次世代を見据えた超長期経営計画の実践であり、早期に取り組むことの重要性
・経営革新の絶好のチャンスであること
・専門家間連携による「経営承継」に関して最適な支援が必要であること
・人的な感情面の配慮が必要であり、第三者による調整が効果的であること

を理解するに至り、一人でも多くの経営者、後継者の方が困ることがないよう、今後の支援に活かしていきたいと思っております。

「理論」は学術的で大変とっつきにくいものですが、経営の本質に関わる重要な”最適解”を見出せる大変参考になるものですので、経営コンサルタントとして、「実践(経営)」に活かせるように取り組んでいきたいと思います。

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